こういう悩みを持つ方に向けて書きます
- 法人を作ったけれど、会計ソフトは何を選べばいいのかわからない
- 簿記の知識がなくて、自分で帳簿を作れるのか不安
- 月額費用が見合うのか、使い勝手はどうなのか知りたい
簿記の知識がゼロでも、弥生会計 Nextで法人の帳簿を回せました。借方・貸方を覚える前に、帳簿が動き始めました。合同会社(2026年3月設立)の代表が、3か月以上使ってわかった実体験を書きます。
選んだ理由・最初にやった設定・ふだんの使い方・つまずいた点まで、実際にやったことだけを書きます。
ロードマップでいうと、この記事はSTAGE 2「お金の管理を作る」の場面にあたります。会計ソフトの選択と初期設定は、会社を作ってすぐに直面する最初の経理判断です。
弥生会計 Nextのレビューの前提(誰が使っているか)
レビューは前提が違うと参考になりません。先に書いておきます。
- 合同会社(2026年3月設立)・代表ひとりの会社で、経理も代表の私が自分でやっています
- 事業はAmazon物販(インターネット上のAmazonでものを売る事業)が主軸です
- 簿記の知識はゼロからのスタートです
- インボイス(適格請求書発行事業者)の登録はしていません。1期目は免税事業者(消費税の納税が免除される事業者)の要件を満たしたためです。
- 迷った論点は税理士に確認しながら進めています
1期目の経理の全体像は、まとめ記事「合同会社1期目の経理、実際にやっていること全部」に書きました。この記事はその中の「会計ソフト」の部分を深掘りするものです。
関連記事 合同会社1期目の経理のやり方|実際にやっていること全部 弥生会計 Next・領収書管理・開業費など、経理の仕組み全体をまとめた記事です。弥生会計 Nextを選んだ理由【3つ】
法人向けのクラウド会計ソフトはいくつかありますが、私が弥生会計 Nextを選んだ理由は次の3つです。
- 法人の複式簿記に対応したクラウド型であること。法人の帳簿は「複式簿記(ふくしきぼき)」という形式で作る必要があります。手書きや表計算ソフトでも作れますが、複式簿記の形に整えるのはかなり手間がかかります。クラウド型なら、パソコンが壊れてもデータが残ります。
- 領収書の電子保存サービスと同じ会社で揃えられること。電子帳簿保存法(電子で受け取った書類は電子のまま保存するルール)への対応に「弥生証憑 Next」という別サービスを使っており、同じ弥生で揃えると迷うことが少なくなります(詳細:弥生証憑 Nextの設定実録)
- 老舗で利用者が多く、情報を探しやすいこと。分からないことを調べたとき、解説が見つかりやすいのは初心者にとって大事な条件でした
正直に書くと、各社のソフトを全部試し比べたわけではありません。「初心者が情報を探しやすいこと」と「領収書保存とセットで揃うこと」を優先して決めた、という選び方です。
料金はいくら?契約しているプランと月額
私が契約しているのはベーシックプランです。契約時点の料金は年額50,400円(税抜)でした。月に直すと4,200円です。料金は改定されることがあります。最新の金額と無料体験の有無は公式サイトで確認してください。
個人事業主向けの無料ソフトと比べると高く感じます。ただ、法人の決算書類(1年の成績表のような書類)を自力で作ることを考えれば、「月4,200円で帳簿の仕組みごと買う」感覚で納得できます。私はそう割り切って払っています。
【手順】最初にやった3つの設定
契約してから最初にやったのは、次の3つです。
- 会計期間の設定。1期目の会計期間は「2026年3月の設立日〜2027年2月末」です。うちの会社の設立日が2026年3月だからです。ここは特に注意が必要です。間違えると後の帳簿が全部ずれます。登記簿(会社の登録情報が書かれた書類)を確認しながら設定しました。
- 法人口座の連携(明細ボックス)。「明細ボックス」という機能に法人の銀行口座を登録します。口座の入出金の明細が自動で取り込まれるようになります。手で打ち直す作業がなくなります。最初にやっておく価値あり。
- 勘定科目・補助科目の整理。勘定科目(かんじょうかもく)とは「何のお金か」の分類名のことです。標準で用意されている科目をそのまま使います。自分の事業に必要な補助科目(科目のさらに細かい区分)だけを足しました。たとえば「売掛金」に「Amazon」という補助を付ける、という形です。補助科目はむやみに増やさないのがコツです。私は最小限にしています。
科目の一覧は、最初に「うちの会社で使う科目はこれ」という表を作って、税理士に見てもらいました。先に地図を作ってから入力を始めてください。毎回の「これは何費?」で止まる回数が減ります。
ふだんの記帳はどう回す?入力するのは3つだけ
運用が固まってからは、入力の機会は次の3つだけです。
- 銀行口座の入出金:明細ボックスが自動で取り込んでくれるので、内容を確認して確定するだけです
- 経費の領収書:週1回、ためたフォルダーから取り出して、日付・金額・相手先・費目を入力します。入力後は勘定科目の候補が自動で出てきます。候補が合っているかどうかは自分で確認が必要です。簿記の知識がない状態でも、ひと通りの入力はできました。
- Amazonの売上:月1回、Amazonのセラー向け管理画面のレポートを見て「売上・手数料・入金」に分けてまとめて記帳します
「ためない仕組み」の作り方はまとめ記事の「週1回の整理ルール」に詳しく書きました。ぜひ読んでみてください。
弥生会計 Nextを使って良かった3つのこと
実際に使って感じた良さは、この3つです。
- 簿記の知識がなくても入力できる。入力するのは日付・金額・相手先・費目だけです。複式簿記の形にはソフトが自動で変換してくれます。「借方・貸方」という言葉を覚える前に、帳簿が回り始めました。
- 銀行明細の自動取込で、手入力が大幅に減る。口座の入出金を1件ずつ手で打ち込む作業がなくなります。月額費用の元はこれだけで十分。
- 帳簿が1か所に集まる。決算への不安が減る。「あの支払いはどこに記録したっけ」が無くなります。税理士に相談するときも、同じ画面の数字を見ながら話せます。
つまずいた点・注意点(正直レビュー)
逆に、正直に書いておきたいのが次の3つです。
- Amazonセラーセントラルの売上データは、明細ボックスの自動連携の対象外でした。うちでは月1回、セラーセントラルの月次レポートを見て売上・手数料を記帳する運用にしています。銀行口座のようには自動で取り込まれないためです。Amazon物販の法人は、ここに手間が残ると思っておいてください。
- 自動取込と手入力の二重計上に注意が必要です。Amazonからの入金は、銀行明細の自動取込にも載ります。月1回の売上記帳にも登場します。同じお金が2回帳簿に載らないよう、どちらを正とするかを決めます。もう片方は重複として処理が必要です。私はここの整理を税理士に確認しながら作りました。
- 税区分(消費税の扱いの分類)は、初心者には正直難しいです。基本は「対象外」を選んでいます。うちは1期目が免税事業者だからです。この方針は税理士に確認した上で運用しています。ここを自己判断だけで進めるのはおすすめしません。
まとめ:弥生会計 Nextはどんな人に向いている?
3か月あまり使ってきた現時点の結論です。
- 向いている人:簿記の知識がない状態から、自分の手で法人の帳簿を回したいひとり法人・小さな会社。領収書の電子保存(電子帳簿保存法への対応)まで同じ会社のサービスで揃えたい人
- 向いていない人:経理に一切時間を使いたくない人。その場合は記帳代行や税理士への委託を先に検討する方が合っています
会計ソフトは入れてからが本番です。週1回の整理ルールのようなためない仕組みとセットで初めて回ります。
関連記事 合同会社1期目の経理のやり方|実際にやっていること全部 ためない仕組みの全体像・週1回の整理ルールはこちらでまとめています。 関連記事 弥生証憑 Nextの使い方|法人1期目の電子帳簿保存法対応を実録解説 領収書・請求書の電子保存の設定(電子帳簿保存法への対応)はこちらで解説しています。弥生会計 Nextを詳しく見る
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